臨床検査技師あるある【検体検査編】

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臨床検査技師あるある検体検査編

血液検査や心電図など、病気の診断や治療に必要なさまざまな検査を行う臨床検査技師。前回は臨床検査技師の仕事の中でも、心電図やエコー検査など、患者さんに機器を装着して行う「生理検査」のあるあるをご紹介しました。

私は現在は生理検査を担当していますが、以前は血液検査の担当でした。そこで今回は血液や尿、臓器の一部などを分析する「検体検査」のあるあるをご紹介します。

今回も専門用語などには解説をつけてありますので、医療従事者以外のかたもどうぞお読みください!

夏でも寒い

エアコン

検体検査室には検査機器がたくさんあります。これらの検査機器は動いているとけっこう熱を出しますし、室温が高いと誤作動を起こしたり、試薬(検査に使う薬品)が劣化したりします。

そのため検体検査室はいつでも室温が25℃前後と低めに設定されています。だから夏でも寒い!

私は暑がりなので快適ですが…。

逆に生理検査室は心電図やエコー検査で患者さんに胸やおなかを出してもらう都合上、寒くないように夏でも冷房があまり効かせられないので、検査する側はけっこう暑いです。

冬はタイマーが足りなくなる

冬といえばインフルエンザ。検査するときに鼻に綿棒をつっこまれますよね。

抗原検査キット

インフルエンザの検査は、上の写真のような抗原検査キットで行います。陽性か陰性かを判定するのに5分かかるのでタイマーをセットしておくのですが、冬は綿棒が大量に検査室に送られてくるので、タイマーがいくつあっても足りません。おまけに最近は新型コロナウイルスの抗原検査もありますからね。

特に年末年始は開業医さんがお休みなので、救急をやっている病院に患者さんが集中します。

私もお正月にひたすらインフルエンザの迅速検査をやり続けて、手が痛くなったことがあります。

トリコモナスを見つけるとテンション上がる

尿検査

尿沈渣で顕微鏡を見ていて、扁平上皮細胞や白血球、赤血球がチラホラある中をトリコモナスがチョロチョロと泳いでいるのをみつけると、なんだかテンション上がりませんか?

※トリコモナス…原虫の一種。性感染症の原因となります。尿を顕微鏡で観察する検査(尿沈渣)で動いている様子が観察できます。

検査する前からなんとなく検査結果がわかる

私は細菌検査や病理を担当したことがないのですが、細菌担当の同僚は「菌のにおいでどんな菌かだいたいわかる」、病理検査担当の後輩は、「細胞診の標本を見れば、顕微鏡で見る前からがんかどうか予想はつく」と言っていました。

私も血液検査担当だったころは、試験管に入った血液を見て「Hbは4くらいかな…これは輸血のオーダーがくるな」と測定前に予想していました。

それ以外でも、CPA(心臓も呼吸も止まった状態)などの患者さんは、患者さんの情報を知らなくても検体を見ただけでなんとなく状態が悪そうだなってわかることがあります。

※Hb(ヘモグロビン量)…赤血球に含まれる、からだ中に酸素を運ぶ役割を担うタンパク質。Hbが低いと貧血であり、場合によっては輸血も必要になります。

※細胞診…尿や胸水、子宮頸部の細胞などをスライドガラスに塗り、顕微鏡で見てがんなどの病気を調べる検査。

機械の動きは音でわかる

検体検査室

検体検査室にはさまざまな検査機器があり、いつも何かしらの機器が動いているので、けっこううるさいです。

ですがその中にいると、

「あ、もうすぐ遠心分離器が止まりそう」

「この音はあの機器の音だな」

「いつもと違う音がする…(アラームがなる前に機器の異常を察知する)」

みたいな感じで、それぞれの検査機器が出す音を聞き分けられるようになってきます。

機器のアラームに「はいはいちょっと待っててね~」と返事をしてみたり…。

白衣に染色液がついている

白衣

H-E染色、グラム染色、ギムザ染色…。検査室ではさまざまな染色液を使います。

そのため知らないうちに白衣に染色液がついていることも多々あります。あとは油性マジックとか…。

クリーニングに出してもなかなか落ちないんですよね。

※染色液…顕微鏡で細胞や細菌を観察するときに、形や構造がわかりやすいように染めるもの。H-E染色はさまざまな目的で使われる基礎的な染色方法、グラム染色は細菌の染色方法、ギムザ染色は白血球や赤血球などを検査するときの染色方法です。

細胞が「いる」

顕微鏡

顕微鏡を見ていて異型細胞を見つけたとき、細胞が「ある」とか「見える」じゃなくて「いる」って言いませんか?

よくよく考えればなんで「いる」なんだろうと思いつつ、でも「いる」のほうがしっくりくるんですよね。

おわりに

私が思う臨床検査技師あるある、検体検査編を書いてみました。

検体検査担当技師のみなさん、どのくらい共感できましたか?

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