国家試験に受かったら忘れずに!臨床検査技師免許申請のやりかた
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受験勉強を乗り越え、臨床検査技師国家試験に合格したみなさん、おめでとうございます!
これで晴れて臨床検査技師になれますが、その前にもうひとつやっておくことがあります。それは免許申請です。
今回は臨床検査技師の免許申請の方法をご紹介します。臨床検査技師として働くためには必須なので、忘れずに申請してくださいね。
臨床検査技師の免許申請とは
臨床検査技師として働くためには、国家試験に合格したら終わり、ではありません。合格後に臨床検査技師免許の申請をして、厚生労働省が管理する臨床検査技師の名簿に登録される必要があります。
たとえ国家試験に合格しても、免許申請をせず名簿に登録されないまま臨床検査技師として働くと、行政処分される可能性があります。
大学院に進学したり、臨床検査技師とはまったく関係ない仕事に就いたりするなら、申請はそれほど急がなくても大丈夫ですが、臨床検査技師として働く場合は合格したらすぐに免許の申請をしましょう。
免許申請に必要なもの
臨床検査技師免許申請書
学校から渡されることが多いと思いますが、保健所でももらえますし、厚生労働省のホームページから印刷もできます。
受験番号や受験地コード、氏名、住所、生年月日などを記入します。受験番号や受験地コードは受験票に書いてあります。また住所は「1−2−34」のように略さず、「1丁目2番34号」などと書きましょう。
詳しい記入方法も厚生労働省のホームページに載っていますので、記入ミスや漏れのないようにご注意ください。
診断書
特に持病などがなくても、全員提出が必要です。
こちらも臨床検査技師免許申請書と同様に、学校や保健所でもらうか、厚生労働省のホームページから印刷します。診断書は両面印刷なので、印刷されるかたは注意してください。
診断書は医師に書いてもらう必要があります。学校や就職先から書いてくれる病院について案内があるかもしれませんが、そうでなければ自分で病院に行って書いてもらいます。
病院は近所のクリニックでも、就職先の病院でもどこでも大丈夫です。あらかじめ電話で「国家資格の免許申請に必要な診断書を書いてください」と問い合わせておくとスムーズかと思います。
また診断書を書いてもらうのには、3,000〜5,000円くらいかかります。病院によって金額が異なるので、病院のホームページや電話で問い合わせたときなどに確認しておくといいですよ。
病院が決まったら、診断書の用紙を持っていき記入してもらいます。診断書には発行日から1ヶ月以内のものという期限があるので、書いてもらったら期限を過ぎないように申請しましょう。
住民票の写しまたは戸籍抄本(謄本)
住民票の写しは住所、戸籍抄本(謄本)は本籍がある市区町村の役所で発行してもらいます。国試の出願後に名字や本籍が変わったなどの事情がないかぎり、どちらか1通あれば大丈夫です。
「本籍が記載されていること」、「マイナンバーは記載されていないこと」という条件があります。本籍やマイナンバーの記載の有無は発行してもらう際に選べるので、間違えないように注意してください。
中には一人暮らしで本籍も住所も実家のまま、というかたもいるかもしれません。そんなときは実家の家族に代理人として受け取ってもらったり、郵送してもらうことも可能です。またコンビニで住民票の写しの発行ができる市区町村もあります。
こちらも発行日から6ヶ月以内のものという期限があります。また発行には300円程度かかります。
収入印紙(9,000円ぶん)
免許申請や登録にかかる費用として、9,000円ぶんの収入印紙が必要です。免許申請書の一番上に収入印紙欄があるので、そこに貼り付けます。
9,000円ってけっこう高いな〜と思っていたら、医師はなんと60,000円もするそうです。
収入印紙は一部のコンビニでも取り扱っていますが、コンビニではよく使用される200円のものしか売っていないこともあります。大きめの郵便局ならほぼ確実に購入できるはずです。
また収入印紙とよく似たものに収入証紙があります。間違えないようにご注意ください。
登録済証明書用はがき
厚生労働省のホームページには希望する人だけ提出とありますが、臨床検査技師として就職するかたはほぼ必須になる重要なものです。
最初にお話したとおり、臨床検査技師として働くためには、免許申請をして厚生労働省が管理する臨床検査技師の名簿に登録される必要があります。つまり免許がないと名簿に登録された臨床検査技師であることが証明できないので、臨床検査技師として働くことができません。
しかし免許は申請してから手元に届くまでに早くても2か月、特に3月末は国試合格者が一斉に申請しますから、およそ3〜4か月かかります。
就職する人は3月末に合格がわかって4月から働き始めるわけですから、免許が届くまで待っていたらそのあいだ働けなくなってしまいます。
そこで必要になるのが「登録済証明書」です。登録済証明書用はがきは学校や保健所でもらえます。このはがきの表面に住所と氏名、裏面には氏名のみを記入し、63円切手を貼り、ほかの書類とともに提出します(就職先ですぐに必要になる場合は、速達代としてプラス290円の切手を貼り、赤字で「速達」と記入します)。
厚生労働省の臨床検査技師名簿に登録されると、登録番号などが記載されたこのはがきが届きます。はがきが届くまでおよそ1か月程度です。
このはがきが、名簿に登録された臨床検査技師であることを証明する「登録済証明書」、つまり免許が届くまでのあいだ免許のかわりになるものなので、このはがきがあれば免許が届く前でも臨床検査技師として働くことができます。
これが登録済証明書です。このあいだ部屋を片付けていたら出てきました。
特に就職先から何も言われていなくても必要になる場合があるので、臨床検査技師として就職する人は免許申請時に登録済証明書を希望しておきましょう。
免許の申請方法
上記の必要な書類をすべて用意し、住んでいる市区町村の保健所へ提出します。
免許ができると、保健所から「免許証交付通知はがき」が届くので、このはがきを持って保健所に免許の受け取りに行きます。
ちなみに免許と聞くと運転免許証のようなカードを想像するかもしれませんが、臨床検査技師の免許は見た目も大きさも賞状みたいなB4サイズの紙です。
こちらが免許の現物です。
医師や看護師などほかの医療職の免許証も同じです。顔写真も住所も載っていないので、運転免許証のように身分証明書としては使えませんね。
氏名や本籍が変わったら
結婚や引っ越しなどで名字や本籍地が変わった場合も、届け出が必要になります。
届け出は免許申請のときと同じく、住んでいるところの保健所へ行います。変更後30日以内に届け出が必要なのでお早めに。
届け出に必要なものは以下のとおりです。
- 籍訂正・書き替え交付申請書
- 1,000円分の収入印紙
- 戸籍抄本(謄本)
- 現在の臨床検査技師免許証
更新はあるの?
運転免許証は数年ごとに更新が必要ですが、臨床検査技師免許には更新はありません。
一度国家試験に合格して免許を取得すれば、ずっと持ち続けることができます。講習や試験などを受ける必要はありません。
ちなみに超音波検査士や細胞検査士、認定検査技師といったより専門的な認定資格には更新があります。資格を維持し続けるには学会や研修会への参加などが必要になります。
おわりに
国家試験に合格してホッとしたと思ったら今度は免許申請と、ただでさえ新生活の準備で忙しいのに大変ですよね。
ですが免許がないと臨床検査技師として働けません。申請は早めに行ってくださいね。