臨床検査技師あるある
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私は病院で、病気の発見や治療効果の判断に必要なさまざまな検査を行う、臨床検査技師という仕事をしています。
今回は私が働いていて思う「臨床検査技師あるある」を書いてみました。臨床検査技師のかたなら思い当たる節があると思います。
専門用語には解説をつけましたので、臨床検査技師や医療従事者ではないかたもぜひ読んでみてください。
「お仕事は何をされているんですか?」という質問が苦手
美容院などでよく聞かれる「お仕事は何をされているんですか?」という質問が苦手です。
なぜなら「臨床検査技師です」と答えても、どんな仕事なのかわかってもらえることはほとんどないからです。
「血液検査とか心電図検査とかする仕事です」と説明しても、「へぇ~そうなんですね~」といまいちピンときていなかったり、あまり興味なさそうだったり、もしくは「あー!レントゲン撮る人ですね!」と、診療放射線技師に間違えられたり…。
そういうのが面倒で「医療関係です」とか「病院で働いています」と答えても、「看護師さんですか?」などと言われて結局説明するハメになることも。
あの質問は何て答えたら正解なんでしょうか…。
医師や看護師と間違えられても、もはや訂正しない
白衣を着ているので、仕事中は医師や看護師と間違えられがち。
患者さんから「ありがとう看護師さん」とか「先生、ちょっと聞いてもいいですか?」とよく言われます。
「いやいや私は臨床検査技師なんですよ〜」と訂正しようにも、患者さんが「臨床検査技師って?」となるので、訂正するのも面倒でそのままにしてることも多いです。
「え?詐欺師?」
「臨床検査技師です」→「え?詐欺師?」は「薬剤師です」→「え?ヤ〇ザ?」と並ぶ鉄板ネタでしょうか。
私は言われたことないですが…。
健診の検査結果に解説を求められる
家族に「こういうの専門でしょ〜ちょっと見てよ〜」と検査結果を見せられた臨床検査技師、多いのではないでしょうか。
セルフで健康診断
一般企業で働いているかたが健康診断を受ける場合、健診車が会社に来たり、各自で病院に人間ドックを受けに行ったりすると思います。
臨床検査技師の場合は、職場の健康診断を自分たちでやります。採血も尿検査も心電図も技師どうしで検査し合います(レントゲンは診療放射線技師さんにお願いしますが)。
職員健診の時期はいつもの患者さんの検査に加えて、職員の検査を捌かないといけないので憂鬱です。
学生時代も実習で、採血や心電図、エコーを学生どうしで検査し合いましたし、今でも新人さんの採血や心電図、エコーの練習に体を貸すので、セルフで健康診断ができますね。
ドレッシングや飲みものを転倒混和する
ドレッシングや飲みものに「よく振ってください」と書かれていると、自然と転倒混和をしてしまいます。
もう癖みたいなものですね。逆に普通にジャバジャバ振ることに違和感すらあります。
※転倒混和…試験管や薬品のビンなどを、フタをした状態でゆっくり逆さまにする→元に戻す→逆さまにする、をくり返して、中の液体を混ぜること。
良くも悪くも職人気質の人が多い
職人気質といいますか、細かいところまで手を抜かずにきっちり仕事する、求められているクオリティの120%を出す、というタイプの人が多い気がします。
ですがせっかく職人技を持っているのに、その知識と技術を伝えようとしない、門外不出タイプの人もいるんですよね…。
性格的には、いわゆるパリピとかウェイ系の人はほぼいないと思います。
オタク気質の人が多いです(私もです)。
検体検査と生理検査の仲がよくない
患者さんの血液や尿などを検査する検体検査と、心電図やエコーなど患者さんに接して検査する生理検査。
同じ臨床検査技師でも、検体と生理では仕事内容がかなり違います。
だからなのか、検体検査と生理検査の仲がよくないケースが多くないですか?さらに大きな病院だと、検体検査の中でも生化学や免疫といった部門どうしの仲がよくないという話も聞いたことがあります…。
乳びしてたらなんだかはずかしい
健康診断などで採血した自分の血液が乳びしてたら、なんだかはずかしくないですか?そこが気になるのって臨床検査技師だけなんでしょうか。
※乳び…採血した血液を遠心すると、赤血球などの細胞成分と上澄み(血清または血漿)にわかれます。中性脂肪の数値が高いと上澄みが白くにごるのですが、これを乳びといいます。食後は中性脂肪の数値が上がるので乳びしやすくなります。
「顔つきが悪い」
エコーや病理をやっている人って、悪性の腫瘍や細胞のことを「顔つきが悪い」って言いませんか?
私も血液像やエコー画像を見て「これ悪そうな顔してるな〜」とか言います。
検査結果で季節を感じる
春になると血液検査で好酸球が多い人が増え、
夏になると救急外来にヘマトクリットが高い人が運ばれてきて、
冬になると次から次へとインフルエンザが陽性になり、トロポニンが高くて心電図でST上がってる人も運ばれてきて…。
検査結果で季節の移り変わりを感じます。
※好酸球…白血球の一種。アレルギーに関係しているため、花粉症などで増えます。
※ヘマトクリット…血液中の赤血球の割合。高いと血液が濃いことを意味します。熱中症で脱水になると高くなります。
※トロポニン…心臓の筋肉がダメージを受ける(心筋梗塞)と、血液中の数値が高くなります。
※ST…心筋梗塞では、心電図の波形でSTという部分が上がります。
ドラマで臨床検査技師が出たと思ったら病理
患者さんから採取した臓器の一部や細胞などから病気を診断する「病理医」を長瀬智也さんが演じた「フラジャイル」。
石原さとみさん扮する法医解剖医が、不自然死の遺体を解剖して事件の真相に迫る「アンナチュラル」。
どちらも臨床検査技師がメインの登場人物として登場するので、臨床検査技師界隈では話題になりましたが、両方とも病理なんですよね。
病理以外の分野の臨床検査技師も出てこないかな~と思いますが、ドラマの作りようがないか…。
月9の主役になった診療放射線技師がうらやましい…!
サバ寿司といえばアニサキス
サバ寿司といえばアニサキス。アニサキスといえばサバ寿司。
これが身にしみすぎて、サバ寿司を食べるときはアニサキスがいないかついつい確認してしまいます。
※アニサキス…食中毒の原因となる寄生虫のひとつ。サバなどを生のまま食べることで感染し、激しい腹痛や吐き気を引き起こします。酢でしめても死にません。
仕事内容を「PCRをやる仕事」と説明するが、実はPCRをやったことがない
コロナ禍で一躍有名になったPCR。今や知らない人はいないくらいですよね。
PCRをやっているのは臨床検査技師だと、一時期臨床検査技師にちょっとだけスポットライトが当たりました。
コロナ禍以降、臨床検査技師の仕事内容を説明するときに「血液検査とか心電図検査をする仕事」と言ってもなかなか伝わらないので、コロナ禍以降は「PCRをやる仕事です」と言ったことがあるかたいませんか?
「血液検査とか心電図検査をする仕事」と言うと「へぇ〜そうなんですね〜」と返ってくることが多いですが、「PCRをやる仕事」と言うと「おぉー!すごーい!」と言われます。
でも私、PCRやったことないんですよね。コロナの抗原検査なら嫌というほどやってますけど…。
おわりに
私が思う臨床検査技師あるあるを書いてみました。
同じ技師のみなさん、どのくらい共感できましたか?