【便潜血検査】便の採取、こんなときはどうするの?

記事内に広告を含みます。

便潜血検査のよくある質問

職場や自治体の検診、人間ドックなどで便検査を受けることがあります。

便を採取して提出するだけなので、手軽に検査が受けられる反面、便は自宅で採取する場合が多いため、「こんなときはどうしたらいいの?」と困っているかたもいるのではないでしょうか。

そこで便を採取するときのよくある質問についてお答えします。

そもそも便を検査して何がわかるの?

職場や自治体の検診、人間ドックなどで行われている便の検査は「便潜血検査」というもので、便に血が混じっていないかを調べています。

大腸にポリープやがんなどの病気があると、そこから出血するため便に血が混じります。便潜血検査では肉眼ではわからないごく少量の血液も検出することができるため、大腸がんなどの病気を早期発見するのに役立ちます。

大腸がんは患者数も死亡者数も多いがんですが、早期のうちに治療すれば治りやすいがんでもあります。そのため便潜血検査で早期発見することが大切です。

便潜血検査については、こちらの記事でもまとめています。

便をとるときの注意点は?

便潜血検査の注意点

血液は便の内部よりも表面についていることが多いです。便についた血液をとり逃さないように、なるべく便の全体から採取するようにしてください。

また便の量が少ないと検査できないことがあります。採取用のスティックの溝が埋まるくらいまでは必要です。

便を採取したら、すぐにスティックを保存容器に入れましょう。保存容器には、血液の成分が変化してしまうのを防ぐ保存液が入っています。この保存液は捨てないようにしてください。

便を入れた容器の保存方法は?

容器の保存方法

便を採取して提出するまでのあいだ保存しておく方法ですが、「冷暗所」が望ましいとされています。

直射日光が当たる高温多湿のところでは、細菌が繁殖したり血液の成分が変化してしまったりして、検査結果に影響をおよぼす可能性があります。とくに夏場は室温も高くなりますのでご注意ください。

ご家庭の冷暗所といえば冷蔵庫です。なので冷蔵庫で保管するのが最適ではあるのですが…。

「便を冷蔵庫に入れるのはちょっと抵抗がある」というかたも多いと思います。

その場合、冬場であればトイレにおいておくのでも大丈夫です。なにか手ごろな箱に、保冷剤と一緒にして入れておくという方法もありますよ。

食事の影響はある?

食事の影響

便潜血検査には、「化学法」と「免疫法」という2つの方法があります。

化学法は食べものとして摂取した肉や魚の血液や鉄剤なども検出してしまいます。またビタミンCを含む薬や栄養剤などの影響を受けると、便に血が混じっていても検出できないことがあります。

一方で免疫法は、食べものとして摂取した肉や魚の血液には反応しませんし、ビタミンCの影響も受けません。

現在は免疫法が広く行われています。そのため検査前に食事制限をする必要はないことがほとんどです。

便も朝起きて最初の便を採取するの?

採取のタイミング

尿検査は朝起きて最初の尿をとるように言われることが多いです。立ち仕事や運動をすると病気でなくても尿にタンパク質が出ることがあり、この影響を避けるために寝ているあいだにつくられた尿を検査します。

便潜血検査の場合はそのようなことはありませんので、朝起きたときの便である必要はありません。

便秘でなかなか便が採取できないときは?

便を長期間保存していると検査結果に影響が出る可能性もありますから、検査に提出する便は基本的には提出当日と前日の便が望ましいです。

ですがなかなか便が出ないとお困りのかたもいると思います。そんなときは病院や検診施設によりますが、提出する3〜5日前の便でもOKという場合もあります。

なかなか便が出ないので、同じ便から2回ぶん採取しても大丈夫?

現在行われている便潜血検査のほとんどは、便を1日1回、2日間採取する「2日法」という方法がとられています。

これは大腸がんの出血が便に毎回付着しているとはかぎらないため、別の日に採取した2回の便を調べることで大腸がんを見逃す確率を減らすためです。

同じ便から2回採取したのでは、出血を見逃してしまう可能性が高くなります。1回目と2回目で、違う便から採取しましょう。

ゆるい便や硬い便のときはどうする?

下痢や腹痛

ゆるい便や硬い便でも検査は可能ですが、採取用のスティックに十分な量の便がとれていないと、正確な検査結果が出ないことがあります。

やわらかい便はなるべく固形の部分から、硬い便はひっかくようにして、スティックの溝が埋まるくらい便を採取してください。

また体調不良で下痢になっている場合は、無理に提出する前に病院や検診施設に相談してみてください。

下剤を飲んでも検査できる?

下剤の影響

下剤を飲んだあとに出た便でも検査は可能です。

ですがゆるい便だと十分な量が採取できないことがありますのでご注意ください。

痔や生理中でも検査できる?

検査自体は可能です。しかし便から血液が検出された場合、それが痔や生理によるものなのか、大腸がんなどの病気によるものなのかの区別は困難です。

女性のかたは、可能であれば生理中やその前後数日を避けて検査を受けてください。もし人間ドックの受診日と生理が重なってしまった場合、生理の影響を受ける尿や便は後日の提出でもOKとしている病院や検診施設もあります。

痔があるかたは便潜血検査だけでは病気の発見が難しいので、大腸カメラ検査を受けることをおすすめします。

トイレに出した便でも検査できる?

トイレに出したあとの便は、トイレの水で血液が流れてしまったり、洗浄剤が便について検査結果に影響したりするおそれがあります。

採取キットの説明書をよく読み、採便シートを使うなどして水などがかからないように採取してください。

もし検査のことを忘れて便をトイレに出してしまったら、その便は採取しないようにしましょう。

おわりに

便の採取方法についてご紹介しました。

便潜血検査は、大腸がんなどの病気の早期発見に役立つ大切な検査です。この記事を参考に、みなさんがより正確な検査を受けていただけたら幸いです。

Next Post Previous Post
No Comment
Add Comment
comment url