就活はいつから始める?まずはどんな病院で働きたいかを考えよう!【臨床検査技師の病院就活】

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まずはどんな病院で働きたいかを考えてみよう

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臨床検査技師を目指している学生さんは、病院への就職を希望しているかたが多いと思います。

ですが「そろそろ就活しないとな…」と求人サイトを眺めてみても、どんな病院がいいのか、いまいちピンとこないのではないでしょうか。

病院の規模や特色をご紹介しますので、病院を探す際の参考にしてみてください。

どんな病院で働きたいかを考える

医療の仕事

求人情報を探す前に、まずは自分が就職したら、どんなことをやりたいかを考えてみましょう。

仕事内容

  • エコーができる技師になりたい。
  • 病理の実習が一番楽しかったから、就職しても病理検査をやりたい。
  • 人と接するのは苦手。生理検査より検体検査をやりたい。

スキルアップ・働きかた

  • 研究や学会発表なども積極的に行いたい。
  • 認定資格を取りたい。
  • バリバリ働くよりもプライベートの時間を確保したい。

勤務地

  • 地元で就職して、実家から通勤したい。
  • 実家を出て一人暮らしをしたい。

病院の種類

  • 公立病院は安定してそう。
  • 大きな病院で経験を積みたい。
  • 輸血がやりたいから、輸血部がある病院がいい。

給料・福利厚生

  • 当直や残業が多くてもお給料が高いほうがいい。
  • 土日祝日は休みがいい。
  • 結婚や出産をしても仕事を続けたい。

などなど。

自分が希望することがはっきりすれば、仕事内容、病院の規模や特色、勤務地などで病院を探しやすくなりますよ。

病院の特徴を知る

病院の規模

大学病院のように規模が大きいところもあれば、クリニックのような小規模のところもあります。

大きな病院は臨床検査技師の人数も多く、生化学や輸血、生理など各部門に分かれて検査を行っています。そのため自分の専門分野を極めたい人に向いています。

検査部からエコー室や輸血部、病理部などが独立している病院もあり、エコーや輸血、病理をやりたい人にはうってつけでしょう。

一方で小規模の病院は、大病院のような専門的な検査は少ないです。臨床検査技師の人数も少ないため、各部門に分かれているのではなく、一人ひとりが幅広い分野を担当しています。

また医師が1〜2人で運営しているクリニック(開業医)では、病院のような検査機器がなく、血液検査や尿検査は検査センターに外注されることが多いです。そのためクリニックには臨床検査技師がいないことが多いですが、中にはクリニックで採血や心電図、エコー検査など主に生理検査を担当する臨床検査技師もいます。

病院の診療科

医療イメージ

さまざまな分野を幅広く扱う総合病院もあれば、がんや感染症など特定の分野に特化した病院もあります。

たとえば心エコーをやりたい人は、心臓血管外科や循環器科に特化した病院なら、心エコーの件数が多くさまざまな症例を経験できるでしょう。

ほかにもがんを専門に扱う病院なら病理検査、感染症専門の病院なら細菌検査の人員や設備が充実しているはずです。

一方で総合病院は、さまざまな診療科の検査を行っているので、幅広い経験が積めますよ。

病院の機能

救急医療

急性期病院は、今すぐ処置が必要な、病状が安定しない患者さんの治療や検査を行う病院です。

急性期病院での臨床検査技師は、患者さんの治療を一刻も早く行えるように、正確な検査結果を迅速に出すことが求められます。

急性期病院は検査件数も多く経験が積めますが、緊急性の高い検査も多く、当直(夜間の勤務)では全然眠れないところも。

一方慢性期病院とは、病状が比較的安定し、再発予防や長期的な治療が必要な患者さんを診る病院です。

慢性期病院は急性期病院ほど検査件数は多くありませんが、そのぶん慌ただしくないところが多いです。

運営母体

〇〇県立病院や〇〇市立病院などは、都道府県や市区町村が運営する公立病院です。ここで働く臨床検査技師は、病院の職員であると同時に県や市などの職員でもあるので、身分は公務員になります。

公務員なので、民間のように経営状況が良いとボーナスが増えるというようなことはありませんが、お給料は病院の経営状況にあまり左右されず、比較的安定しています。

独立行政法人国立病院機構は、グループ内の病院で転勤があることも。

また公立病院は、通常の医療に加えて救急や災害医療、高度先進医療など、コストの面で民間病院では実施が難しい医療も行っています。

このほかに、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)や厚生連(JA)、日本赤十字社、済生会などが運営する病院もあります。これらは公立病院ではありませんが、公立病院と同じく民間病院では難しい分野の医療も行う公的病院です。

大学の附属病院は、研究や医療職の教育といった役割も果たしています。そのため臨床検査技師も積極的に研究や学会発表、認定資格取得などを行っているので、スキルアップできるでしょう。

ですがこれらの公立病院や公的病院、大学病院は就活生からの人気も高く、採用試験の倍率も高い傾向にあります。

一方で民間病院は公立病院と比べて圧倒的に数が多く、多くの患者さんを支えています。

このように、病院の規模や特徴によって、臨床検査技師の働きかたも変わってきます。

進路に悩むときは

進路に悩むときは

「とりあえず病院に就職しようと思うけど、これといってやりたいこともない…」という人には、なるべく大きめの病院がおすすめです。

大きな病院なら検査機器などの設備も充実しており、幅広い分野の、かつ専門性の高い検査の経験ができます。

一方小さなクリニックでは行っている検査が限られているため、経験やスキルが限定されてしまうことが多いです。

また大きな病院なら新人の研修や教育の体制が整っているでしょうし、認定資格を取得している先輩も多く、自分が受験する際にサポートしてもらえると思います。

お給料や福利厚生の面でも、大きい病院のほうが充実しているところが多いです。

転職するとしても、大きい病院から小さい病院への転職は比較的やりやすいですが、逆は狭き門のことが多いです。

小さなクリニックは大きな病院である程度経験を積んだ人に向いているので、新卒で特に希望がなければ大きめの病院をおすすめします。

就活を始める時期は?

就活を始める時期

一般企業の就活は、大学生の場合3年の秋から冬ごろに始まりますが、病院の就活はそこまで早くありません。

だいたい最終学年の夏ごろに募集が出て、秋ごろに採用試験というところが多いです。そのため大学生なら4年生になったあたりでみんな動き出す感じです。

ですが早いところは4〜5月に募集を締め切る病院もあるため、情報収集はその前の冬ごろには始めることをおすすめします。病院によって求人情報を出すタイミングが違いますから、気になる病院はこまめにチェックしておくといいですよ。

それまでに自分がやりたいことや、どんな病院が自分に合っているのかを考えておきましょう。

ちなみに国家試験が最終学年の2月にありますが、国家試験を受けて結果が出てからの就活では遅すぎます。新卒(現役の学生)の場合、学校を卒業し、国家試験に合格して臨床検査技師の免許を取得する「見込み」として、国家試験前に就活を行います。

12〜1月は試験前の追い込みの時期なので、できればそれまでに内定をもらっておきたいところですね。

おわりに

病院への就職活動を始めるにあたって、知っておきたいそれぞれの病院の特徴についてお話ししました。

ひとくちに「病院」といっても、その規模や特色は千差万別です。

まずは自分がどんな病院で働きたいか、しっかり考えてみてくださいね。

自分のやりたいことや希望する病院が定まってきたら、求人情報を探してみましょう。それについてはこちらの記事もどうぞ。

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