病院の採用試験の内容は?筆記試験、面接、小論文の対策法【臨床検査技師の病院就活】
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臨床検査技師として病院で働くためには、採用試験を受けて合格する必要があります。
臨床検査技師を目指す就活中の学生さんの中には、「採用試験を受ける予定だけど、どんな試験なのか、どう対策したらいいのかわからない…」というかたもいるのではないでしょうか。
採用試験の内容は病院によってさまざまですが、主に筆記試験、小論文、面接を実施しているところが多いです。受験者が多いと、一次試験と二次試験に分かれているところも。
それぞれの試験の内容についてご紹介します。
採用試験を受ける前に、気になる病院があれば見学に行ってみましょう。病院見学のやりかたについてはこちらの記事をご覧ください。
書類審査
ここで働きたいと思う病院があれば、いざ採用試験にチャレンジです。
まずは求人情報に記載されている応募要項をチェックして、必要な書類を病院に提出します。
病院の場合、一般企業の就活でよくあるエントリーシートの提出やインターンシップなどがあるところは少ないです。
多くの場合、自己PRと志望動機くらいは書くかもしれませんが、必要なのは履歴書と、現役の学生なら成績証明書くらいですかね。
筆記試験
筆記試験には専門試験、一般教養試験、適正試験などがあります。
専門試験
専門試験はその名前のとおり、臨床検査技師としての専門的な知識を問う試験です。
国家試験レベルの問題が出されることが多いので、対策としては国家試験の勉強が重要です。
もし内定をもらっても、国家試験に合格できなければ内定取り消しになってしまうことがほとんどです。就活のためにも国家試験の勉強は忘れずに!
私は全然勉強していなかったので、それはそれは大変でした…。
一般教養試験
一般教養試験は、中学や高校レベルの国語や数学、英語などの能力や、時事問題などを問う試験です。
都道府県立病院などで働く場合は身分が都道府県職員(公務員)になるので、高校卒業程度の教養試験があります。
適正試験
適正試験は論理的思考力やコミュニケーションスキル、受験者の性格や適性を測るための試験です。一般企業の就活でよく聞くSPIなどですね。
専門試験、一般教養試験、適正試験をすべて実施している病院は少ないと思います。専門試験を実施しているところが多く、一般教養試験や適性試験を実施しているところは少ないです。
小論文
小論文は出されたテーマについて、自分の考えを述べる試験です。「〇〇について〇〇字以内で述べなさい」という形式のものが多いです。
試験時間は30〜90分で、文字数は400〜1200字(原稿用紙1〜3枚)くらい。指定された文字数の8〜9割は書くようにしましょう。
よく出題されるテーマとしては以下のようなものがあります。
- 一般的な時事問題(コロナ禍や高齢化社会など)
- 学生時代の取り組み(学生時代に力を入れたこと、印象に残ったことなど)
- 志望動機(臨床検査技師になろうと思った理由、この病院を志望した理由など)
- 医療従事者としての心構え
- 臨床検査技師について(どのような臨床検査技師が求められているか、臨床検査技師が果たすべき役割とは何かなど)
- 将来のキャリアについて(どのような臨床検査技師になりたいかなど)
まず最初にテーマについての自分の意見を簡潔に述べ、次にその理由や具体例などを挙げていき、最後にまとめる…みたいな感じで書くと基本は押さえられるかなと思います。
誤字脱字をしない、正しい文法で書く、(原稿用紙に書く場合は)正しい原稿用紙の書き方で書く、といった基本はおさえておきましょう。
面接
面接もほぼ必須ですね。病院長や検査技師長などの偉い人たちが面接官になります。
- なぜ臨床検査技師になりたいのか
- この病院を志望した理由
- どの分野が得意か、興味があるか
- 学生時代に努力したこと
- 将来どんな臨床検査技師になりたいか
- 自己PR、趣味、特技など
このあたりはよく聞かれるので、どう答えるか考えておくといいですよ。
ただし、話すことを一言一句丸暗記して話そうとすると、ただ文章を読み上げているだけみたいになってしまいます。ちょっとでも間違えてしまうと、そこから先の文章が頭から飛んでしまって話せなくなってしまうことも。
伝えたいキーワードや、どんな流れで話すかだけざっくりと決めておいたほうが、より自分の言葉として伝えられると思います。
また面接は小論文とは違い、「話す」ことがメインです。たくさん話したほうがいいと思って聞かれていないことまで盛り込んでダラダラ話していると、聞いている面接官に「結局この人は何が言いたいんだ?」と思われてしまいます。
面接官が聞きたいことを、ポイントを明確にしてわかりやすく伝えることが大事です。
実技試験
私が働く病院には実技試験があります。
ですがけっこう珍しいみたいで、大学時代、就活中に実技試験があったと同級生に言ったら驚かれました。
とはいっても私が働く病院の場合は、高い検査のスキルを求めているのではなく、
「ちゃんと試験官の説明を聞いて理解し、正しく実行できるか」
「学校で習う最低限の知識と技術が身についているか」
を問うものでした。
あとは面接では受験生は緊張しているので、フリートークで緊張をほぐしつつ受験生の素を見れたらな、という意図もあります。
「エコーができる人募集」のような経験者向けの求人だと、応募してきた人がどのくらいのスキルがあるか知るために、実技試験があるかもしれませんね。
採用試験を受ける際の注意点
内定は辞退しない
一般企業だと、「たくさん採用試験を受けて、内定を複数もらったら一番行きたいところに就職して、ほかは辞退する」という話をよく聞きますが、臨床検査技師の世界だと、それはやめておいたほうがいいです。
私が学生のときは、「内定は辞退するな」と言われました。
というのも、よほど大きな病院でもない限り、一度に採用する臨床検査技師の人数は1人、多くても3人程度です。
1人しか内定を出していないのにその人に辞退されてしまうと、またイチから募集をして、試験をやりなおさなければなりません。そのころにはまわりの病院も採用試験が終わっていて、ほかの学生はほとんど就職先が決まっている…なんてことも。これは病院側としてはツラいです。
最悪の場合、病院側が怒ってしまい「もうあの学校の学生は採用しない」なんてことにもなりかねません。
もし志望している病院が複数あり、採用試験の日程が近くて、最初に受験した病院の結果が出る前に次の病院の採用試験があるような場合は、学校の先生に相談してください。
国家試験に落ちると内定取り消しになる
現役の学生さんの場合、国家試験に合格する前提で内定がもらえます。そのため国家試験に落ちると内定が取り消しになってしまうことがほとんどです。
中には国家試験に落ちても雇ってもらえるところもありますが、かなりレアケースです。そのうえ資格がないと臨床検査技師の仕事ができないので、仕事内容が限られたり、正職員として就職するはずがパートでの採用になったりすることがあるようです。
国家試験に受かるかどうか微妙なラインにいる人は、まずは国家試験の勉強を優先しましょう。国家試験に受かれば就活はいつでもできますが、落ちれば資格も内定も失ってしまいますからね。
どのくらい受ければ内定をもらえるの?
一般企業の就活で聞く「何十社も受けたのにひとつも内定がもらえない」ということは、臨床検査技師の場合ほとんどありません。
たいていは2〜3か所、多くても10か所以内で内定がもらえることが多いです。なかなか内定がもらえないという場合、大学病院や公立病院など、倍率の高いところしか受けていないのかもしれません。
就職説明会に行って、インターンシップをやって、エントリーシートを書いて、一次試験をやって、二次試験を…というような一般企業の就活と比べると、かなりやりやすいと思いますよ。
おわりに
臨床検査技師の採用試験の内容についてご紹介しました。
採用試験の内容は募集要項に記載されていることが多いです。病院見学に行ったときに試験内容について教えてもらえることもありますよ。
まずはどんな試験が行われるかを確認し、それに合わせた対策をしていきましょう。