受験前に要チェック!臨床検査技師国家試験の日程、受験会場、当日の持ち物、合格率は?

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知っておきたい国試のあれこれ

臨床検査技師を目指す学生にとって避けては通れないのが国家試験。これに合格しないと臨床検査技師になれません。

専門学校の3年生や大学4年生のみなさんは、そろそろ国家試験の勉強をしないとと思っているのではないでしょうか。

でもいざ受験するとなると、受験勉強以外にも

「試験日や合格発表はいつ?」

「どこで受けるの?」

「当日の持ち物は?」

など気になることも多いはず。

そこで臨床検査技師国家試験の一応合格者である私が、国試のアレコレについてお話します。

試験日はいつ?

カレンダー

臨床検査技師の国家試験は、年に1回、毎年2月の第4水曜日に行われます。

正式な試験日はその年度の9月ごろに発表されます。厚生労働省のホームページで確認できますよ。

どうやって出願するの?

出願

現役学生の場合、以下のものが必要です。


  • 願書
  • 卒業見込証明書
  • 修業見込証明書
  • 写真(縦6センチ×横4センチ。出願前の半年以内に撮影したもの)
  • 受験料(11,300円ぶんの収入印紙)
  • 返信用封筒(長3封筒の表面に受験する人の宛先と書留を書いて、定形郵便94円と一般書留435円の郵便切手を貼り付けます)

現役学生なら多くの学校で、願書や卒業見込証明書、修業見込証明書など必要書類を用意してくれて、出願もまとめてやってくれると思います。

ただ学校でまとめて出願する場合は、戸籍抄本も必要になる場合があります。

だいぶ前のことなので記憶があいまいですが、確か私も提出したはず…。

戸籍抄本は、本籍がある市区町村の役所へもらいにいく必要があります。実家を離れて一人暮らし中の人で帰省が難しい場合は、郵送や代理人として家族にかわりにもらってきてもらうことも可能です。コンビニでの発行に対応している市区町村もあります。

写真はスーパーなどにある証明写真機でも撮影できますよ。

受験料は振り込みなどではありません。収入印紙を受験料の金額分購入して、願書に貼り付けます。

収入印紙は一部のコンビニでも取り扱っていますが、コンビニではよく使用される200円のものしか売っていないこともあります。大きめの郵便局ならほぼ確実に購入できるはずです。

ちなみに収入印紙とよく似たものに収入証紙があります。間違えないようにご注意ください。

願書の提出受付期間は12月から年明けごろです。厚生労働省のホームページで確認できます。学校でまとめて出願するにせよ、個人で出願するにせよ、学校から案内があると思いますので、しっかり確認しておきましょう。

試験会場はどこ?

試験会場

試験会場は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県です。

出願する際に、この中からどこで受験するか選択することになります。自分が通っている学校や各都道府県で受験できるわけではありません。

日本全国で試験会場が9都道府県しかないので、大半の受験生にとって会場は遠方です。そのため会場近くのホテルを予約し、試験前日はそこに泊まるという人も多いです。

詳しい試験会場(予定)は厚生労働省のホームページで確認できるので、ホテルを予約する際は参考にしてくださいね。

2月は大学入試などの受験シーズンでもありますし、会場近くのホテルは同じく国家試験を受ける人たちで争奪戦が予想されます。ホテルを予約するならお早めに!

試験当日の日程は?

タイムスケジュール

私が受験したときの試験当日のスケジュールは以下のとおりです。


  • 09:00〜09:30 試験の説明
  • 09:30〜12:00 試験(午前の部)
  • 12:00〜13:00 昼休憩
  • 13:00〜13:30 試験の説明
  • 13:30〜16:00 試験(午後の部)

試験は午前の部と午後の部に分かれており、午前が9時30分から12時まで、午後が13時30分から16時まで、それぞれ2時間30分ずつです。

午前9時には試験の説明が始まります。それまでに会場に到着し、着席していなければいけません。受験会場はかなり広いので、自分の席を見つけるのにも時間がかかります。

そこで試験前日までに、一度自宅やホテルから試験会場まで実際に行ってみて、経路やかかる時間を確認しておくと、当日スムーズに会場へ向かえますよ。

私も前泊したので、試験前日にホテルに到着後、試験会場まで行ってみました。

試験は2月ですから、雪などで公共交通機関に影響が出ることも考えられます。前泊するにしてもしないにしても、なるべく余裕をもって会場に到着できるようにしておくといいですね。

試験内容は?

試験

試験はマークシートで、5つの選択肢の中から1つまたは2つ選ぶ形式です。

午前、午後でそれぞれ100問ずつ、合計200問出題されます。1問1点で200点満点、60%(120点)以上正解すれば合格です。

試験科目は以下のとおりです。


  • 医用工学概論(情報科学概論及び検査機器総論を含む)
  • 公衆衛生学(関係法規を含む)
  • 臨床検査医学総論(臨床医学総論及び医学概論を含む)
  • 臨床検査総論(検査管理総論及び医動物学を含む)
  • 病理組織細胞学
  • 臨床生理学
  • 臨床化学(放射性同位元素検査技術学を含む)
  • 臨床血液学
  • 臨床微生物学
  • 臨床免疫学

学校で勉強してきたこと、臨床検査技師に必要な検査や医学の知識が問われる内容になっています。

ちなみに試験科目は全部で10分野で、問題数は200問ですが、1分野20問ずつではありません。問題数の多い分野とそうでない分野があります。

臨床化学、病理組織細胞学、臨床生理学などは問題数が多く、公衆衛生学や医用工学概論などは少なめです。

また午前と午後で5分野ずつではなく、午前も午後も10分野すべてから出題されます。

出題されやすい問題については、こちらの記事もご覧ください。

当日の持ち物は?

私が試験当日に持っていったものはこんな感じです。


  • 受験票(出願後に郵送されてきます)
  • 筆記用具(鉛筆、消しゴム)
  • 腕時計
  • 昼食
  • カイロ
  • 参考書
  • お金(行き帰りの交通費や食事代、前泊する場合のホテル代など)
  • 着替えなどお泊り用品(前泊する場合)

筆記用具は芯が折れたり机から落ちたりしたときのために、鉛筆4〜5本、消しゴム2個くらいあるとベストです。マークシートなので鉛筆はHBから2Bくらいのマークを塗りやすいもの、消しゴムはきれいに消える消しやすいものを選びましょう。

もし試験会場に時計がなかったり、時計があっても見づらい席だったりしたときに、あと何分かわからないと困りますから、腕時計があると安心です。持っていなければ100均やホームセンターなどでも安く買えますよ。

お昼ごはんは、会場の外に食べに行ったり買いに行ったりすることもできなくはありません。しかし1時間しかありませんし、初めて行くようなところだとどこに飲食店があるかわからなかったり、お店が混んでいて時間がかかったりする可能性がありますから、あらかじめコンビニとかで用意しておくのがおすすめです。

それと2月は寒いので、試験中に手がかじかんでうまく動かないなんてことがないように、カイロを持っていくといいですよ。試験会場がどのくらい空調が効いているかわからないので、調整しやすい服装で行くのも忘れずに。

ちなみに私の荷物の大半を占めていたのが参考書です。最後の追い込みにと不安になってあれこれ持っていきましたが、実際は過去問題集を確認するくらいであまり使わず、ただ重いだけでした…。

前日や当日にそこまで詰め込めるものでもありませんし、直前になってわからないところや覚えていないところを見つけてあわててしまうのもよくないですから、持っていく参考書などは1〜2冊にして、最終確認くらいにとどめておくといいと思います。

合格発表はいつ?

合格発表

毎年3月の第4月曜日に、厚生労働省のホームページに合格者の受験番号が掲載されます。

合否がわかるのが3月末なので、4月から病院で働くとか、実家を出て一人暮らしするなどの場合、合格発表のあとで動き出すのは大変ですよね。

そのため試験の自己採点をしておくのがおすすめです。受験のときに試験問題の冊子を持ち帰ることができるので、私はそこに自分の解答をメモしておき、試験後に教科書などで調べたり、ネットの解答速報を参考にしたりして自己採点をしました。

自己採点の結果は、学校の先生に報告しておきましょう。また臨床検査技師として病院へ就職が決まっているなど、国家試験の合否が就職に影響する場合は、就職先にも自己採点のときと正式な合格発表のときに、それぞれ連絡しておくといいですよ。

また合格後は免許申請を忘れないようにご注意ください。

臨床検査技師として働くためには、国家試験合格後に臨床検査技師免許の申請をして、厚生労働省が管理する臨床検査技師の名簿に登録される必要があります。

たとえ国家試験に合格していても、免許申請をせず名簿に登録されないまま臨床検査技師として働くと、行政処分される可能性があります。合格したらすぐに免許の申請をしましょう。

申請は住んでいる市区町村の保健所へ行います。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

合格率と難易度は?

合格率は年によって多少差がありますが、おおむね70〜80%くらいです。

ただ新卒者と既卒者を比較すると、新卒者は85〜90%近い合格率なのに対し、既卒者は30%程度になっています。

既卒者の場合、一緒に勉強する同級生や、わからないところを質問できる先生がまわりにいないことが多く、勉強のモチベーションを保つのが難しいです。既卒者の中には働きながら勉強する人もいるでしょう。そのため既卒者の合格は新卒より厳しくなることが多いです。

ですが裏を返せば、新卒者なら10人中8〜9人は受かるということです。難易度としては、学校で追試や留年にならず、ちゃんと勉強してきた人なら、そこまで難関の試験ではないでしょう。

私は勉強してこなかったので地獄を見ましたが…。

国家試験の勉強法については、こちらの記事もご覧ください。

ちなみにほかの医療職の国家試験をみてみると、医師や看護師は90%以上の合格率をキープしています。薬剤師や診療放射線技師、理学療法士、作業療法士などは70〜80%と、臨床検査技師と同じくらいの合格率です。

とはいえ臨床検査技師のほうが合格率が低いからといって、医師より臨床検査技師の国家試験のほうが難しいなんてことはありません。一概に合格率で試験の難易度は計れませんね。

おわりに

臨床検査技師の国家試験についてお話しました。

試験勉強は始めていても、受験のしかたなどはよくわからない…というかたもいるのではないでしょうか。

この記事で試験のことを知っていただき、万全の体制で試験に望んでくださいね。

みなさんの合格をお祈りしています。

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