文例あり!お礼状は出すべき?病院見学でのお礼状の書き方徹底ガイド【臨床検査技師向け】

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病院見学のお礼状書き方ガイド

臨床検査技師として病院で働きたいという場合、就職活動において重要になるのが病院見学です。

病院見学は求人情報や病院のホームページだけではわからない、実際の検査部の設備や職場の雰囲気などを知ることができるチャンス。気になる病院があれば、ぜひ見学に行ってみることをおすすめします。

見学の流れやチェックポイントについて、詳しくはこちらの記事もどうぞ。

しかし病院見学のあとで、学生さんは「お礼状」について悩んでいるのではないでしょうか。

「お礼状って送ったほうがいいのかな?」

「お礼状ってどう書いたらいいのかわからない!」

「ネットにあるお礼状の例文は、医師や看護師向けばかりで参考にしづらい…」

という学生さんに向けて、「病院見学後のお礼状(臨床検査技師バージョン)」の書きかたや文例をご紹介します。

お礼状のギモン

お礼状は書くべき?

お礼状の疑問

結論から言いますと、お礼状は必ず書かなければいけないものではありません

ですが病院見学の際には、その病院の臨床検査技師(たいていは技師長など上の役職の人)が忙しい中時間を割いて案内や説明をしてくれています。

それに対して感謝の気持ちを伝えれば、相手からの印象もよくなります。お礼状を送ったら内定がもらえるというわけではありませんが、「この病院に就職したい」、「採用試験を受けようかな」と思ったら、お礼状を送っておいて損はないでしょう。

見学してみて「この病院には就職しないな」と思った場合でも、臨床検査技師の世界は横のつながりがありますから、別の病院に就職したあとで、学会や勉強会などでその病院の技師と会うことがあるかもしれません。

迷ったら送っておけば間違いないです。

お礼状は手紙?メール?

手紙とメール

お礼状はメールでも手紙でもどちらでも大丈夫です。

メールは見学したその日に送って、相手にすぐ届くというメリットがあります。また手紙に比べて手間も料金もあまりかかりませんよね。

一方で手紙のほうが手間も料金もかかりますが、そのぶんメールより丁寧な印象を与えます。

また見学の対応をしてくれた人(技師長など)に直接つながるメールアドレスを知らない場合も手紙が無難です。

病院の代表メールアドレスに送ると、おそらくそのメールを見るのは事務職員のことが多いので、技師長まで届かないおそれがあります。手紙なら「〇〇病院 検査部 技師長 〇〇様」のように宛名を書けば、ちゃんと技師長に届くはずです。

これもやっぱり迷ったら手紙のほうがおすすめです。

送るタイミングは?

送るタイミング

メールでも手紙でも、なるべく早く送るようにしましょう。

メールの場合、すばやくやりとりできるというメールの特性上、見学当日には送ることをおすすめします。

手紙の場合も見学の翌日にはポストに投函し、1週間以内には相手に届くようにします。

見学前に便せんや切手を用意したり、おおまかな文章を考えておいたりしておくといいですよ。

お礼状の書きかた【手紙の場合】

便せんと封筒の選びかた

便せんと封筒

便せんはB5サイズで縦書き、白色で無地のものを使用します。横書きや色柄が入っているものはカジュアルになるため避けたほうが無難です。

封筒は白色で無地、便せんが三つ折りで入れられる長形4号というサイズが一般的です。上質紙で二重になっているものがおすすめ。

ペンは黒のインクのものを使用します。書き間違えた場合は修正テープは使わず、新しいものに書きなおしましょう。

便せんを封筒に入れるときは、三つ折りにして、封筒のオモテ面(宛名面)から見て手紙の書き出しが左上になるようにします。

もし便せんが1枚におさまる場合は、白紙の便せんを後ろに1枚添えるのがマナーとされています(理由は昔の離縁状などの縁起が悪い手紙は1枚だから、昔は紙が高価だったので相手への気遣いとして、1枚だと透けて裏から他人が読めてしまうから、1枚だとそっけなく感じる、本当はもっと書きたいという気持ちを表すため、など諸説あるそうです)。また2枚目に後付け(手紙の最後に書く日付や自分の名前、相手の名前のこと)だけを書くこともマナー違反なんだとか。

宛先の書きかた

封筒のオモテ面に相手の住所、病院名、部署名、名前を縦書きで書きます。宛先は見学の際に案内や説明をしてくれた人(技師長や人事担当者など)にします。

病院見学のときに、担当してくれたかたの名前や役職を確認しておくといいですね。

住所は「1-2-3」ではなく「一丁目二番地三号」のように書きます。病院名や部署名、役職名は正式名称を書きましょう。「医療法人〇〇会」なども略さずに書きます。

また役職名に「様」つけるのは間違いです。「〇〇技師長様」ではなく「技師長 〇〇様」と書きます。

ウラ面には、左下に自分の住所、学校名、学年、氏名を縦書きで書きます。

文章の構成

手紙

「頭語」と「時候のあいさつ」

「頭語」は手紙のはじめに書く、冒頭のあいさつのことです。「拝啓」が一般的です。

「時候のあいさつ」は、頭語のあとに続く季節のあいさつです。頭語からひと文字ぶん空けるか改行して書きます。手紙を送る月にあわせて以下のように変わります。

時候のあいさつ

  • 1月…初春の候
  • 2月…立春の候
  • 3月…早春の候
  • 4月…陽春の候
  • 5月…新緑の候
  • 6月…初夏の候
  • 7月…盛夏の候
  • 8月…晩夏の候
  • 9月…初秋の候
  • 10月…紅葉の候
  • 11月…晩秋の候
  • 12月…初冬の候

この「〇〇の候」のあとに、「益々ご清祥のこととお慶び申し上げます」などと続けるのが一般的です。

病院見学のお礼と感想

病院見学をさせてもらったことに対するお礼を書きます。

また病院見学で感じたこと、病院見学をしてわかった、その病院(検査部)の良いところや印象に残ったことなどを書きます。

文例

  • 実際に検査部の皆様がお仕事をされているお姿を拝見し、直接お話を伺うことができてとても勉強になりました。
  • 検査部の皆様が声を掛け合いながら働かれているお姿を拝見し、チームワークの良さを感じました。
  • こちらの質問にもご丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。貴重なお話を伺い、大変有意義な時間を過ごすことができました。
  • 勉強会への参加や認定資格の取得など、検査部の皆様の積極的に学び続ける姿勢に非常に感銘を受けました。

その病院で働きたいと思ったら、「貴院で働きたいという気持ちがより一層強くなりました。」などの一文を入れるといいですよ。逆に「この病院に就職するつもりはないかな」と思ったら、貴院で働きたいといったことには触れずに、見学のお礼だけにとどめておきます。

「結びの言葉」と「結語」

用件を最後にもう一度確認したり、相手の健康や繁栄を祈ったりするのが「結びの言葉」です。

「結語」は手紙のおわりに書く言葉のことです。頭語を「拝啓」にしたら結語は「敬具」にします。

後付け

後付けとは、「この手紙をいつ、誰が、誰に宛てて書いたものか」を記しておくものです。具体的には日付、自分の名前、相手の名前の順に書きます。

日付は和暦(令和)で、数字は漢数字で書きましょう。

次に自分の学校名、学部、学年、名前を書き、 最後に相手の病院名、部署名、役職、名前を書きます。このときも「医療法人〇〇会」なども略さず、正式名称を書きましょう。

お礼状の文例【手紙】

拝啓

  盛夏の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。

 先日はお忙しい中、病院見学の機会をいただき、誠にありがとうございました。

 実際に検査部の皆様がお仕事をされているお姿を拝見し、直接お話を伺うことができてとても勉強になりました。勉強会への参加や認定資格の取得など、検査部の皆様の積極的に学び続ける姿勢に非常に感銘を受け、貴院で働きたいという気持ちがより一層強くなりました。

 貴院の皆様のような臨床検査技師になれるよう、より一層勉学に励んでまいります。

 まずは見学をさせていただいたお礼を申し上げたく、お便りをいたしました。本当にありがとうございました。

 末筆ではございますが、貴院の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

敬具

令和六年七月二十日

〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇年

〇山〇子

医療法人〇〇会 〇〇病院

臨床検査部 技師長

〇川〇男 様

お礼状の書きかた【メールの場合】

メール

件名

病院には毎日たくさんのメールが届きます。内容がわからないメールは迷惑メールと思われて読んでもらえないかもしれません。

そのため受け取った相手が受信メールの一覧画面でひと目で内容がわかるように、件名は必ず入れましょう。

件名は「病院見学のお礼(〇〇大学 〇山〇子)」など簡潔でわかりやすいものにします。自分の学校名と名前も入れておくとさらにわかりやすいですね。

文章の構成

メールを書く

宛先

メールの場合は、最初に宛先として相手の病院名、部署名、役職、名前を書きます。「医療法人〇〇会」なども略さず、正式名称を書きましょう。

自己紹介

メールの場合、拝啓や敬具、時候のあいさつ、結びの言葉は不要です。

「先日病院見学をさせていただきました、〇〇大学〇年 〇山〇子と申します。」のように、まず自分の名前を名乗ります。

病院見学のお礼と感想

ここは手紙と同じです。病院見学のお礼と、病院見学をしてわかった、その病院(検査部)の良いところや印象に残ったことなどを書きます。

結びのあいさつ

手紙のような相手の繁栄を祈る「結びの言葉」は不要ですが、「まずは見学をさせていただいたお礼を申し上げたく、メールをいたしました。今後ともよろしくお願いいたします。」のような結びのあいさつを入れます。

署名

メールの最後には「署名」を入れましょう。

署名欄には学校名、学部、学年、自分の名前、住所、電話番号、メールアドレスを書きます。

お礼状の文例【メール】

件名:病院見学のお礼(〇〇大学 〇山〇子)

医療法人〇〇会 〇〇病院

臨床検査部 技師長

〇川〇男様

本日病院見学をさせていただきました、〇〇大学〇年 〇山〇子と申します。

本日はお忙しい中、病院見学の機会をいただき、誠にありがとうございました。

実際に検査部の皆様がお仕事をされているお姿を拝見し、直接お話を伺うことができてとても勉強になりました。

貴院の皆様のような臨床検査技師になれるよう、より一層勉学に励んでまいります。

まずは見学をさせていただいたお礼を申し上げたく、メールをいたしました。

何卒よろしくお願いいたします。

**************************************

〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇年

〇山〇子

〒123-4567

〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3

090-1234-5678

〇〇〇〇@〇〇.com

**************************************

おわりに

私はお礼状のようなあらたまった手紙って、それまで書いたことがありませんでした。それが病院見学をしたらいきなり書くことになって、「書いたほうがいいの?」、「何を書けばいいの?」と困った記憶があります。

お礼状にはいろいろな決まりやマナーがありますし、採用試験を受けるかもしれない病院の人が読むと思うと、失敗できない…と緊張してしまいますよね。

「お礼状を送ったから必ず採用!」とか「お礼状を送らなかったら絶対不採用!」というケースはほとんどないとは思いますが、就職したい病院であればお礼状を送ることはマイナスにはならないでしょう。

この記事を参考にお礼状を書いてみてくださいね。

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